渋谷に行く用事があったので、前から気になっていたラーメン屋で夕食を食べることにする。
その名も「背油豚骨 のあ」という。凄い名前だ。実に背脂好きの私の食欲をそそる。
店は地下にあり、入口からはとてもラーメン屋があるとは思えない。知らない人だったら、たぶん入るのに躊躇することだろう。
店内もラーメン屋とは思えない間取りである。
座席はカウンターのみ。しかし、椅子はよくラーメン屋などのカウンターにあるに一本足の丸椅子ではなく、なぜか四本足のレストランなどにありそうな普通の椅子だ。
しかも、座席はカウンターだけだというのに、店内はやたらと広い。椅子の背後には、順番待ちの人が座るための椅子が並べられているのだが、それでもこの広さの半分ぐらいでも十分に店舗としては足りるているだろう。
テーブル席などを置かないのは、おそらくマスターひとりで切り盛りをしているため、そこまで客をさばけないという理由からだろう。
そして、きわめつけはスポーツバーなどに置いているような巨大テレビで流される洋楽映像。
もうどう見てもラーメン屋とは思えない雰囲気である。
ただし、広々としているのは客としては問題ない。身体も動かせないような狭いラーメン屋よりは断然にマシである。
さて、ここは食券製なのだが、その券売機が旧千円札しか使用できないという致命的な欠点がある。
旧千円札を持っていない人は、カウンター脇につるされた旧千円札と自分の千円札を勝手に交換している。不用心な気もするが、常連客ばかり店のような気がするので問題は無いのだろう。
自分は前もって知っていたので、小銭を沢山持っていたので問題なし。
初めてのラーメン屋では、必ず店で一番シンプルな「ラーメン」を頼むことにしているので、ラーメンを選択。ちなみに600円。
カウンターの向こうでは、人の良さそうなマスターがひとりでゆったりと働いている。
カウンターにはサービスのキムチが置いてあるので、待ち時間の間、それをポリポリと食べている。昆布の入った、やや甘口のキムチである。
さて、ようやく待ちに待ったラーメンが登場。
圧巻なのは、そのチャーシューの大きさ。
それはチャーシューというよりは、豚の角煮である。
しかも、でかい。どんぶりの端から端まである。B5サイズの紙の縦幅ぐらいある、豚バラ肉が一本、どんとラーメンにのっている。
これで600円とは驚きの価格。普通のラーメン屋のチャーシューメンよりも肉の量は多そうだ。
そんな見た目の迫力のわりには、スープのほうはややあっさり目の豚骨醤油。そこに大量の背脂がのって、こってり感を増加させている。
肉を食べつつ麺をすする。
普通は麺の合間に肉を食べるなのだが、このラーメンの場合、肉をおかずに麺をすするといった感じだ。
さて、肉のお味のほうだが申し分ない。とろとろに煮込まれた、まさしく豚の角煮。
飲み屋でこの角煮だけを600円で出されても文句は言わないぐらいである。
というか、食べていて、これほどビールか白いご飯が恋しくなるラーメンは珍しいだろう。
そんなわけで、肉の量には驚かされたが、角煮好きの自分には問題なし。
週に何度も食べたら早死にしそうだが、月に一回ぐらいなら食べてみたい、そんなラーメンであった。
難を言うならば、肉の量に対して、麺の量がやや少ない感じ。ペース配分を間違えると、最後に肉が残ってしまう。
次回食べる機会があったら、大盛りにしよう。
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