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2007年11月20日 (火)

【TRPG】 Spawn Of Azathoth 第8話

 月イチゲーム会で行われてきたクトゥルフ神話TRPGキャンペーン「Spawn Of Azathoth」も、今回でとうとう最終回である。
 問題作と断言できるキャンペーンであったが、最終回もかなりぶっとんでいる。

※以降、ネタバレ

 探索者たちは、恩師の仲間である言語学者からチベットのラサへ来るようにと依頼される。
 ダライ・ラマのお膝元。チョー=チョー人の本拠地だ。
「そこまでの行程で、いくつかシナリオを挟ませることができるでしょう」といったシナリオデザイナーからのキーパー投げっぱなしな演出は華麗にスルーして、あっという間にチベットに到着する。
 この土地にどうやら隕石(アザトースの落とし子の種子という存在らしいが、よくわからん)のようなものが落下してくるというのだ。
 その破壊規模は、最大で恐竜を絶滅させた隕石にも匹敵するらしいというから大変だ。
 ちなみに、ツングース隕石の正体もこいつである。ただし、そのときは、かの魔道士エイボンと、ロシアの怪僧ラスプーチンのツープラトンによって隕石を吹き飛ばしたので、あの程度の被害で済んだ。もう笑うしかない超設定。
 探索者たちはダライ・ラマによって滅ぼされたハスター寺院にて神託を受けて、隕石落下地点の正確な場所を確定させ、いざ最後の対決へと赴く。
 ちなみに、ハスターの寺院にはなんの謎も無い。というかハンドアウトに「ハスター寺院」と書いていなければ、誰もハスターと関わりがあるとは思わないだろう(まあ、V字のモノリスとかあるけど)。なんやねん、まったく思わせぶりな!
 さて、最終決戦へ赴こうとする探索者の出鼻をくじいたのは、ソビエト連邦の秘密工作員。
 探索者を呼び寄せたNPCの言語学者、実はこいつがなかなかたいした奴で、なんでもラスプーチンの秘密文書を盗み読んだ罪で、ソビエト連邦の当局に追われているというのだ。どんなスパイ映画だ?
 もっとも、たったひとりのイワン野郎に臆する我らが探索者ではない。
 シナリオでは工作員が探索者たちを拘束するなどと寝ぼけたことが書いてあるが、そんな展開になるわけも無く、ぐだぐだの交渉の末、隕石が降ってきて、すべてが終了するときまで猶予を貰うことができた。もしも工作員が納得しなかったら、間違いなく彼はエレファントガンの餌食になっていただろう。食人教団のグールもどきや、チョー=チョー人を大量虐殺してきた探索者にとって、イワンのひとりを抹殺することに良心の呵責は無いのだ。恐ろしい、恐ろしい。
 落下してきた隕石をなんとか押さえ込み、探索者たちはエイボンが残したという「アザトースの落とし子」への究極の対抗手段とされる、地球静止装置への次元の門を開く。
 ちなみに、この隕石に特攻をしかけるシーンがあるのだが、探索者が躊躇をしていると、さっきのイワン野郎がこう叫んで突っ込んでいく。
「この臆病者どもめ。俺は共産主義者だ。神など信じない!」
 素晴らしい。素晴らしいまでのソ連に対する偏見。けれど、こういうブラックな共産主義ネタは好きである。PARANOIA(TRPGのほうね)みたいで。
 ところで、実は地球に落下する隕石など、その大元たる「アザトースの落とし子」に比べれば、フケ程度の卑小な存在だったりする。
 地球静止装置のある空間にて、探索者たちははるか宇宙の彼方におわす「アザトースの落とし子」と対峙することになり、そのことを嫌というほど実感させられる。
 なにしろ、アザトースは無限たるもの。
 たとえ落とし子が、偉大なる父の千分の一の力だったとしても……無限の千分の一も、すなわち無限なのだ!
 そんなわけで、「アザトースの落とし子」を見ても、正気度現象は1D10/1D100です、はい。恐ろしいですね~
 そんな「アザトースの落とし子」が遥か未来に地球に接近することを予見したエイボンは、その来るべき運命の日に地球の時間を停止させて、この世界を永久に保存するという、地球静止計画をはるか太古に実行していた。
 しかし、無限の未来に可能性を求める探索者たちは、その地球静止装置を破壊する。
 かくして、エイボンによる永遠の生とも、永遠の死ともいえる地球静止計画は阻止され、その後の地球の運命は次の世代の探索者に引き継がれた。
 プロビデンスに戻り、祝杯をあげる探索者に、恩師の友人である天文学者が告げる。

「アザトースの落とし子」が地球に到来するのは、これから700年後。

 この猶予が長いのか、短いのか?
 それを判断するのは、我々の子孫たちである……

 な~んて感じで、キャンペーンは終了する。
 あれ、こうやってまとめてみると、ありがちな感じだけど、なんかまともな話のような気が……?

 とりあえず最終回で印象的なのは、プレイヤーたちのダイス目である。
 久しぶりにゲーマーのダイス目を操る超能力というのを見た気がする。明らかに確率を無視した展開をしていた。
 ダイス目で盛り上がるというのは、正直キーパーとしては不本意なことではあるが、それでも計算外の驚きというのは決まったストーリーを追う映画や小説には無い、TRPGならではの楽しさである。
 途中、かなりひどい状況になって4人中、3人死亡の可能性もあるかと腹をくくったときがあったが、奇跡の逆転劇で全員生還を遂げた(無事にとは決していえないが)。
 TRPGのキャンペーンというのは、たいてい広げた風呂敷を急いで畳む話となっていて、シナリオ的には一本道でこれまでの謎をネタバレをさせるだけというものが多い。今回のシナリオもそんな感じであるが、最後のアクションシーンでピンチに陥り、なんとか無理矢理に幸運を引き寄せ、全員生還というハッピーエンドを迎えたことで、シナリオ自体の内容以上に楽しんでもらえたようだ。

 全体の感想としては、とにかくアメリカ人テイスト満載のぶっとんだシナリオであった。
 ぶっとび具合では、あの「ニャルラトテップの仮面」に匹敵するだろう。私がゲームの終了後に「このキャンペーンのキーパーをやりぬいたことで、俺はキーパーとして一段上の新しいステージにのぼった!」と宣言すると、プレイヤーたちも「おっしゃるとおり。よく頑張った!」と同意してくれるぐらいといえば、なんとなくこのシナリオの凄さが伝わるであろう。
 とはいえ、すべてを終えて全体を見回してみると、キャンペーンとしてのつながりは薄いが、シナリオの舞台も雰囲気も工夫がされており、プレイヤーを飽きさせないゲームではあったと思う(呆れたとは思うが)。
 まあキャンペーンとしては、高得点はつけられないが、なんとか合格点といったところか。
 最後に、ハウスルールでTORGのドラマデッキを使用するようにして、本当に良かった。素のクトゥルフ神話TRPGでプレイしていたら、たぶん探索者は10人ぐらい死んでいたと思う。

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コメント

GMおつかれ様でした。
ホラー要素を含んだB級アクション映画のようです(笑)
でも、プレイ中のテンションはとても高くて楽しかったようですね♪

データ的に、簡単に死ぬか発狂しそうだと言うのは伝わってきました。
TORGのドラマデッキの使用とは、どのように活用したのでしょう?


投稿: 書店員K | 2007年11月21日 (水) 21時00分

 TORGのドラマデッキは、ドラマカードで振り直しができるとか、アクションカードで技能+30%ボーナスとか、そんな感じでカードの効果をひとつひとつクトゥルフにコンバートしていきました。
 私はよく他のゲームにもTORGのドラマデッキを利用するので、プレイヤーも慣れたものでしたよ。
 これに慣れると、普通のクトゥルフの振り直しなど一切無しというデッドリーさにビビります。

投稿: 内山靖二郎 | 2007年11月21日 (水) 22時40分

お答えいただきありがとうございます。

カードを使用する事で、割とシナリオ的無茶が許される気になります。
でもTORGと違い、サジ加減を少し誤るとコロっと逝くんでしょうね。
注意して参考にさせてもらいます。

投稿: 書店員K | 2007年11月22日 (木) 20時00分

 今回のゲームのプレイヤーはTORGをこよなく愛するうえに、クトゥルフのコズミックな雰囲気が好きな面々だったので、この組み合わせが可能でした。
 クトゥルフとTORGのドラマデッキの組み合わせが相性が良いかどうかは、なんとも言い難いところがありますのでお気をつけ下さい。

投稿: 内山靖二郎 | 2007年11月22日 (木) 22時34分

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