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2008年1月10日 (木)

【TRPG】 年始のTORGは爆発だ!

 年末年始のTRPG合宿にて、間に睡眠や食事をはさみながら、21時間ほどTORGのキーパーをした。
 結論としては、やはり同じゲームをずっとやり続けると飽きる。
 今回はスケジュールの都合上、私がずっとマスターをしていたのだが、気分転換のためにも、途中に別のゲームをはさむべきであった。次回の教訓としておこう。

 全四幕によって構成されるショートキャンペーンで、ナイル帝国の企てるコードネーム「計画L」を追って、ストームナイトはアメリカのリビングランドから、カイロ、ドーバー海峡と世界を股にかけての冒険をすることとなる。
 ストームナイトのほうは、TORGの名物シナリオをいくつもクリアーしてきた熟練である。
 TORG屈指の名作or名物シナリオ「ハイロード・オブ・コアアース」をクリアーしたことがあるため、「ハイロードを倒した男たち」と巷では呼ばれている。

 今回、印象的だったのは、仲間内で「爆発小僧」と恐れられる、アイルの魔法使いの活躍。
 見た目はネギまのネギ先生みたいな可愛い子供の姿をしているくせに、炎系の範囲攻撃魔法で、ばったばったと敵を燃やし尽くす。
 このシナリオだけで60人ぐらい殺していた。恐ろしい、恐ろしい……
 アイルの炎系魔法は、TRPGの魔法には珍しく、瞬間的な爆発ではなく持続時間があるものが多い。
 一度、魔法をかけると、その地点に魔法の炎が燃え続け、その場にいるものを焼き続けるのだ。
 この魔法の火力が絶妙で、ちょうど雑魚の敵を次のラウンドダメージのショックにより行動不能にするぐらいのダメージが入る。
 すると、雑魚は炎から逃げられないので、当然、次のラウンドもダメージが入る。これが繰り返されることで、敵は生きたままじわじわと焼き殺されていくわけだ。
 ちなみに、TORGには遠隔矛盾というルールがあり、あまり強力な魔法を遠くにかけると、ダメージが自分に跳ね返ってくるというものがある。
 そこで発想の転換。
 なんと、爆発小僧は遠隔矛盾を避けるために、自分に炎を防ぐ魔法をかけてから、自分自身を標的として炎の魔法をかけるのである。これならば遠隔矛盾は発生しない。
 そんなわけで、爆発小僧は本気を出すと、敵の真っ只中に飛び込んで(肉体に強化魔法をかけているので、戦士並の能力を持っている)、いきなり強力な炎系の範囲魔法でまわりを巻き込みながら自爆をするのだ。
 そして、敵のみが焼き尽くされ、爆発小僧だけがニンマリ笑って炎の中から出てくるという……その姿を目の当たりにすれば、敵も味方も震え上がるまさに炎の悪魔そのものだ。

 あとは、レオパルドⅠ戦車を、筋力増強グローブをつけたニンジャ(カタカナで表記するのがミソ)がハイテク日本刀で両断するとかも、なんだかTORGならではの無茶な力押しといった感じの名シーンであった。

 TORGをやっていると、文明レベルのギャップをネタにしての話題が盛り上がる。
 例えば、このストームナイトの仲間にランドビロウという原始世界からやってきたNPCの女の子がいる。
 この子のいた世界は、温暖で楽園のようなところである。いくらでも食べ物がまわりにある非常に豊かな土地で、彼女はそこでのんきに採集生活を送っていた。
 そのため所有という概念が無い。人のものは自分のもの、自分のものはみんなのものという考えなのだ。
 欲しいものがあれば、近くの森に入れば、いつでもいくらでも手に入るのだから、個人所有という概念は生まれないのも当然だろう。エデンの園の住人のような感じである。
 故あって、そんな彼女はカイロのパン屋さんで生活するようになったのだが、貨幣経済どころか、個人所有すら理解していないのだから、毎日がトラブルである(主にまわりのストームナイトが大変)。
 ただ、彼女の思想を突き詰めていくと、共産主義に近いところがあったりして、その行動は悪いことだと断言することも難しく、なかなか説得はうまくいかない。
「人のものを食べるな!」と叱ると「なんだ欲しければあげるのに~」と、にこやかにパンを差し出してくる少女を、どのように躾ければよいというのか?
 資本主義の権化であるニッポンテックのニンジャだけは、その少女をきちんと教育しなければと鼻息が荒いのだが、そのニンジャが経営しているパン屋で、悪気も無くもりもりと店の商品を食べている少女の姿を、歴戦のストームナイトたちが微妙な顔をして見守っていたりして、このあたりもTORGらしい面白い光景といえよう。

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コメント

なんて燃える(萌える)ロールプレイなんでしょう。
プレイヤーに強いる《やっかいごと》の参考にしたいと思います(笑)

投稿: 書店員K | 2008年1月16日 (水) 22時22分

 すれたプレイヤーには、無邪気な存在こそが、よく効くものです。

投稿: 内山靖二郎 | 2008年1月21日 (月) 21時04分

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