【食事】 年に一度のあんこう鍋
毎年、冬になったらあんこう鍋を食べることにしている。
ポイントはあん肝を溶いた鍋であること。
上品に醤油ベースとかそんな鍋では、我々はあんこう鍋とは呼ばないのだ。
東京でもあんこう鍋を食べさせる店は多いのだが、そういう店は限られてくる。
これまで利用していた店は、鍋の味は文句なしなのだが、去年、店員の態度が悪くて不快な思いをさせられた。
そんなわけで、今年は新規開拓のため、コマ劇(もう無くなったけど)の裏にある創業ウン十年とかいう店に行く。事前情報によると、ここのあんこう鍋は肝を溶いたタイプらしい。
行ってみると、店の造りは古い民家風で味わいあるのだが……混んでる!
そして、客を詰め込みすぎ!
四人のテーブルに袖机をつけてボックス席に5人とか座らせたりするから、もう窮屈で窮屈で……
無理して店にいれてもらったのなら我慢するが、予約しておいてこれとは、ちょっと店のモラルを疑うわ。
まあ、新年会シーズン真っ只中だったからなー
とりあえず前座に、予約しておいたマグロのカマ焼きを食べる。
ひれの形からして、びんちょうマグロ。
サイズはなかなかのものだが、ケチって本当にカマギリギリのところで切ったものを焼いているので、いまいち食べる場所が少ない。
とはいえ、カマ焼きを見ると野生に戻る習性のある我々は、群がるように解体を始める!
骨の間に身を見つけると「鉱脈発見!」とか歓声があがる。アホかと。
ポン酢が、そば湯をいれるようなでっかい器に入って大量に出される。
マグロの身がポン酢にひたるぐらいたっぷりかけて、もみじおろしをかけて食べると、これがなかなか良い味。
ややしつこいマグロのカマの脂と、すっきりポン酢が良い具合なのだ。
このポン酢は評価しよう。合格。
さて、いよいよあんこう鍋である。
出汁に溶かされたあん肝の量は少なめ。
そもそもあんこう鍋の帝王であるドブ汁は、あん肝とあんこうの身の水分だけで食べるというもので、出汁は入っていない。
まあ、そこまでのものは求めていないが、ちょっと拍子抜けか……
それでも、ちょっとピリカラのスープは良い味わい。
あんこうも骨ごと大胆にぶつ切りにされたものが入っている。
そして、その背骨の太さにびっくり。元は相当おおきなあんこうだったのだろう。
皮もしっかり入っているのだが、その中にカエルの足のようなものを発見。
これって……あんこうのひれか?
すごい、本当にカエルの足そのものだ。
これを見れば、ダーウィンでなくても両生類は魚類から進化したと気づけることだろう!
そのひれ、火が通ったら身が縮んで、指先にあたる部分から細いプラスチックの線のようなものが飛び出してきた。
骨かとも思ったが、どうも違うような……構造が骨格っぽくない。
ひれを支える軟骨なのだろうか?
なんか見た目、とても食べ物ではない姿となったが、その線を全部引っこ抜いて食べる。
くにくにと独特の食感。二、三回噛んだら、勝手にするりと喉に入ってしまった。
そして、身のほうは……まあ、ちょっと歯ごたえのあるタラのような味というのは、いつものこと。
美味しくはあるが、やはりあんこう鍋の命はスープにある。
具を食べきったら雑炊開始だ。
たっぷりのスープを米に吸わせて、ゆるめのリゾットのような感じにして食べる。
好みでノリを散らす。
うーん、美味いっ!
やはりあん肝スープと米の相性は無敵。
これのために鍋をするといっても過言ではあるまい。
所詮、身などは前座なのだ。
ちなみに、ヨーロッパにもあん肝のリゾットというものがあるそうだが、そちらも是非、一度食べてみたい。
評価としては、席さえ広ければ問題のない店であった。
来年、また使ってもいいかも。
ただし予約するときには、座席の指定に気をつけることにしよう。
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