« 2010年11月 | トップページ | 2011年1月 »

2010年12月29日 (水)

【雑談】 ノドグロと島根のタクシー

 出雲旅行記9

 お寿司屋の話はまだ続くよ。

 続いては、刺身の盛り合わせ。
 寒ブリ、ヨコワ、ノドグロ、アオリイカなど。
 ここでもヨコワが登場。
 調べてみたら島根は産地のひとつなんだね。
 地の魚ばかりで嬉しい限り。
 ノドグロの刺身は初めて。
 塩で食べさせてもらったが、寒ブリよりもとろっとした感じで美味しい。

 と、思っていたら、今度はノドグロの焼き物が来ましたよ。
Photo  大根おろしと島根の甘い醤油をかけた味付け。
 これが旨い!
 刺身よりも断然、感動度が違う。
 クセはないけど魚の旨味ある白身で、ほくほくでしっとりしていて、脂は適度でひかえめ。
 とにかく身が柔らかく焼けていて、一瞬、煮付けかと勘違いしてしまうほど。
 でも、煮付けほど味が染みついておらず、魚自体の味がしっかり感じられるのは、やはり焼き物。
 肝まで美味しくいただけました。
 これまでノドグロは一夜干ししか食べたことがなく、値段ほど美味しいものではないと評価はさほど高くなかったが、これは認識を改めねばなるまい。
 ただ、それなりのサイズがないと焼いても美味しくないようなので、なかなかこうしたノドグロとは出会えないかも知れない。
 それにしても、なんで最近になって人気が出てきたのだろう?
 テレビの影響?

 ひと休みとしてお吸い物。
Photo_2  甘鯛のしんじょに、手詰みの岩のり。わさびを溶かしていただく。
 なんか店主は、ずいぶんとこの岩のりを推していた。本当におばさんたちが岩場で詰んできたものらしい。
 確かに美味しい。肉厚な感じで、歯ごたえがよい。香りも高い。
 しかし、なにより吸い物の味が絶品。
「なんの出汁だろうか」と首をひねっていると、店主が甘鯛の頭を焼いたものだと教えてくれた。
 なるほど手が込んでいる。
 いくらでも飲んでいられるおいしさだ。
 ご飯にかけても美味しいらしい。
 うむむ……友達の白米好きなら、絶対に試していたことだろう。

 そして、ひょこっと出てきたのがバイである。
Photo_3  なんか場違いな気がしたら、これがクロバイとも呼ばれる、バイの中でも正真正銘のバイらしい。
 正直、よく意味がわからずに、これもあとで調べてみた。
 すると、宿屋とかでバイガイといって出てくるのは、たいていはバイの近種であり、いろいろややこしい。
 このとき食べたバイは、近年、漁獲量が減っているそうな。
 見た目は確かに少し黒い。
 貝のサイズも大きい。
 食べてみると、身の味自体はさほど違いはわからない。
 でも、肝が旨い。これも臭みが無く、苦みもない。サザエの肝などよりも、もっと動物性の強い味がする。すっきりしたあん肝系?

 〆はお寿司である。
 軽めに数種類握ってもらったが、店主の普通のマグロは出したくないという言葉にこだわりを感じる。
 サザエの寿司があり、生のサザエをどうやって殻から取り出すのか談義という、よくわからないことで盛り上がる。
 さらに、北海道産ではなく、地場のウニというのをいただく。
 やや色が黒くて、形も悪いが、味はまったく遜色ない。
 ウニ好きとして、おかわりしてしまった。

 日本酒が少し残っているので、ワサビの茎とノリの佃煮をアテにして、ゆっくりと食後酒で本当の〆となる。
 帰りは30分に1本しか来ない一畑電車ではなく、タクシーを呼んでもらって帰る。
 1メーターで駅に到着。
 島根は送迎タクシーもメーターを倒さずやってきて、さらに初乗りが安いことに地味に喜ぶ。

 うむ、贅沢な夜であった。
 でも、コンビニでプリン買って、ホテルで食べた。
 なんか甘い物も食べたくなったので。

 つづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月27日 (月)

【雑談】 一畑電車と笹ガレイ

 出雲旅行記8

 雪の舞う石見銀山観光を終えて、出雲市駅前のホテルへと向かう。
 途中、荒れ狂う日本海を望む道を走る。
 まさしく白波というやつだ。
 時折、雲の合間から光が差したりして、なんか神々しい。出雲だけに。

 90分ほど走って出雲市内へ。
 この日はビジネスホテルに宿泊する。
 徒歩3分ぐらいの距離にある、駅前の温泉ランドのチケットをくれるというサービスがあるので、ホテルだけど温泉が楽しめる。
Photo_4  湯の川温泉とは違って、赤い色のした湯であった。
 さすがに駅前だけあって、これまでの観光地のように誰もいないことはなかった。
 それでも広い湯船に、一人か二人しかいないので悠々である。
 ゆっくり浸かって、山道の疲れを癒してから、JR出雲市駅のそばにある、 ローカル線の一畑電車に乗る。
「RAILWAY」という映画化がされて、ちょっとだけ名前が知られるようになったが、知る人ぞ知るローカル線らしい。
 私はよく知らなかったが、まあせっかくなので記念として。
 この電車の改札に「ワンマン運転の時の降り方」といったものが書いてあった。
 いまいち理解できないうちに電車が来てしまったので、とりあえず乗り込む。
 おおっPhoto_5、切符をハサミで切ってる。懐かしい……
 さて、あとからわかったことだが「ワンマン運転の時の降り方」というのは、無人駅を降りるときに、駅の改札ではなく、電車の運転手さんに切符を見せてから降りるというものだったらしい。
 この運転手さんが出てくるのが遅いので、ドアが開いたらすぐに下車する習慣のある我々は、運転手さんに見せずに切符を置いて、普通に降りてしまった。
 まあ、一駅なんだからキセルのしようがないのだけど。

 さて、そんな出雲市駅の隣駅、普通の家並みの中にひっそりとたたずむお店が目当てのお寿司屋さんである。
 カウンターと座敷二席、あと奥に襖で区切られた完全な個室の座敷が二部屋ある。
 職人さん一人の店にしては、割と広いような。
 ただ、この奥の座敷は、なんか完全に常連用らしく、我々が入ってから一度も注文したり、料理が運ばれたりしない。
 酒まで持ち込みで、勝手にやっているらしい。
 しかも、物音一つせず、静かに飲んでいる。
 なんかお医者さんの接待の会らしかったのだが、いったいどんな飲み会だったのだろう?
 ともかく、そんなわけで、実質的に職人さんは我々一組で独占状態。素晴らしい。
 カウンターに座って、料理の説明や雑談をしながら、いただくことができた。
 ちなみに、ここは寿司屋だけど、寿司だけでなく魚料理全般を出してくれる。
 観光客だから地の物が食べたいとリクエストして、あとはお任せコース。

 最初は真子付きの雄タラバ。
 身をほぐして、頭の殻に詰め込んで出してくれる。
 カニの身を取るのが面倒な私にとって、これは嬉しい。
 カニ味噌と身を混ぜながら頂いたあと、真子をゴリゴリほぐして食べる。旨し。

Photo_6  続いて笹ガレイである。関東人には柳ガレイといったほうが通りがよい。
 一度揚げてあったものを二度揚げして、バリバリ頭から食べられるようにするというもの。
 これを甘辛醤油で味付ける。
 ビールのつまみに実によい。
 さすがにカレイなので背骨は食べられないが、それ以外は美味しくいただける。
 内臓も臭みひとつ無く、ちょっとだけ苦みのある珍味という感じ。
 背骨のみ残して完食。
 そして、さくっとビールを飲み干して、これからはエンドレスで日本酒のターン。
 軽い濁り酒と清酒の地酒が二種類置いてあったが、銘柄は忘れてしまった。少なくとも、これまで飲んだことのない銘柄であった。

 つづく

| | コメント (3) | トラックバック (0)

【雑談】 鳴き龍と出雲そば

 出雲旅行記8

Photo_2  石見銀山の観光コースもこれで終点。
 城上神社は石見銀山の入り口にある豪奢な神社だ。
 例によって立派なしめ縄と、そして出雲らしい本殿が良い感じ。
 あと、この神社には鳴き龍がある。
 相変わらず誰一人いないので、鳴き龍の音色も静かに聞くことが出来た。
Photo_3
 だいぶ遅めの食事は、バス停の前にある食堂で。
 当然、ここでも出雲そばだ。
 嬉しいことに小割そばと釜揚げそばのセットがあった。迷わず注文する。
 こちらのそばは、出雲大社前の店とは違って、のどごしはやわらか。そんなにだし汁も甘くない。
Photo  そば湯でだしを割る釜揚げのほうの、そんなに濃厚なそば湯ではなく、さらっとしている。もっともかけそばとはまったく異なる味で、正直、やや薄めで物足りない。
 うーむ、釜揚げそばは私の嗜好には合わないみたい。

 最後は石見銀山資料館を訪問。
 割と期待していたのだが、資料は貧弱でちょっと期待はずれ。
 どうも学芸員のかたがいるような感じもしないので、資料について質問することはやめておく。
 だって受付に一人しかいないんだもの。

 これにて石見銀山の観光はおしまい。
 駐車場に戻ると、ガイドをしてくれたベロタクシーにお兄さんが出迎えてくれた。
 やはり客は来なかったらしい。
 物好きな観光客と思われたのか、それともみんな気さくなのか、どこに行っても地元の人に挨拶をされる、そんな石見銀山であった。 
 雪が降って寒かったけど、なんか温かい気持ちになる観光地である。
 静かなシーズンオフに訪ねられてよかったのかもしれないな。

 さて、夜は日本海の幸をいただくため、寿司屋に行くのだ。
 廻らない寿司屋なんて久し振り!

 つづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月26日 (日)

【雑談】 無貌の神と貘

 出雲旅行記7

 まだまだ続く、石見銀山の観光。
 雪が降ったりやんだり、時には太陽が差したりまだするという、日本海側の不順な天候の中を、坂道をテクテクくだる。
Photo  やがて見えてくるのが、豊栄神社だ。
 こちらには毛利元就の神像が祀られていたそうだが、現在は別の神社に移動させられている。
 気になるのは門に祀られた二体の像。
 毛利元就だと思われるが、なぜか顔がないのだ。
 賢明なる探索者ならば気づかれただろうが、これがニャルラトテップの像であることは――言うまでもない。

 さらにぐんぐんと山を下りて、ようやく古い町並みの残る大森地区へと帰ってきた。
Photo_2  昼飯が食べられるところはないものかと歩くが、ほとんどの店が閉まっている。
 まあ、観光客なんていないしね。開けていても無駄だろう。
 そんなことしていると、ボランティアのガイドさんが声をかけてきてくれた。
 よかったらガイドしてあげましょう、というわけだ。
 せっかくなのでご厚意に甘えることにする。
 ガイドさんは二人、こちらも二人。
 マンツーマンでの観光だ。
 最近、いろいろな観光地でも実施していることだが、このように民間のボランティアのガイドさんが町を案内してくれるようになった。
 地元の人たち全体で、観光地を盛り上げようという試みなのだろう。良いことである。
 丁寧に保護され、江戸時代から変わらないという町並みを歩きながら、ガイドさんからの豆知識などに耳を傾ける。
 私が知りたかった、昭和初期の銀山が休山した当時の様子など、いろいろと質問する。
 わざわざ寂れている頃の様子を知りたがるなんて変な客だと思われたかもしれないが、普通の資料では触れられていない話など、いろいろ聞くことが出来た。
 現在、観光の目玉となっている龍源寺間歩だが、そこに入るような物好きは、ちょっと前までいなかったという話には、ちょっと笑った。

 この石見銀山は、当然ながら最盛期は非常に裕福な集落だったおかげで、神社仏閣が多く、しかも造りが豪華である。
Photo_3  彫り物なんかは気合い入っているし、銀山が寂れてから静かに維持されてきたため、当時の面影も強く残されている。
 そんな建物を見るだけでも、好きな人は十分に楽しめるだろう。
 私が気に入ったのは、西性寺の彫り物。
 観光ガイドなどにはあまりしっかり載っていないが、「左官の神様」と言われた松浦栄吉が残した漆喰の鳳凰があることで、ちょこっと紹介されていたりする。
 やっぱりお金があったんだよな。
 しかし、私が気に入ったのは、本堂のほうにある神獣の彫り物たち。
 龍、獅子、麒麟などに並んで、貘もいて、その横顔はなかなか可愛いのだ。

 さて、半日かけて散策した石見銀山だが、そろそろ終点の城上神社となる。

 つづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月24日 (金)

【雑談】 佐毘売山神社とカフェでひとやすみ

 出雲旅行記6

 龍源寺間歩を下ってすぐのところに、ひっそりとある石段の上が佐毘売山神社だ。
 拙書『クトゥルフと帝国リプレイ 白無垢の仮面』に登場する佐比売党の発祥の地のモデルとなった場所である。
 とはいえ、訪れるのは初めてだ。
 噂には聞いていたが、かなり荒れた神社だ。
Photo  苔むした急な石段は、所々が崩れかけており、上がどうなっているのかわからない。
 何か目的がなければ、登ろうという気にはならないだろう。
 雪で滑るため、慎重に登る。
 人の気配はまったくない。たとえシーズンでも、観光客がたくさんやってくるといった雰囲気ではなかった。
 拝殿はかなり老朽化しており、土壁はボロボロ。
 しかし、しめ縄は太くて立派だ。出雲地方のしめ縄は、みんな太いな。
Photo_2  この神社でも祭りや神楽はやっているようなのだが、具体的にいつどんな祭りなのかと尋ねると曖昧な返事しかこない。
 ……怪しい。
 きっと観光客には秘密の儀式でもしているのだろう。
 この佐毘売山神社の脇から、さらに石見銀山の奥へと行けるのだが、完全な山道であり気軽に行けるようなものではなさそうだ。
 なんか熊注意とか、ヘビ注意とか看板が出てるし……

 お次は清水谷精錬所跡。
Photo_3  明治時代、ほとんど石見銀山が掘り尽くされた頃、最後の開発が行われた精錬所の跡地だ。
 残されているのは立派な石垣とトロッコの跡だけであるが、このように戦国時代から明治の遺跡までが一ヶ所に残されている点が、石見銀山の特徴でもある。
 奥まで入りたかったが、貧弱なトラロープが張ってあったので、おそらく立ち入りは禁止だろうと判断する。

 ここで冷え切った体を温めるために小休憩。
 清水谷精錬所跡の近くにある喫茶店に入る。
 山の中、数軒しかない店で、さらに奇跡的に開いている店。
 当然、客は誰もいない。
 すでに昼過ぎとなっていたが、本日、最初の客だったとか。
 薪ストーブが景気よく燃えていて、大きな窓から雪景色が見える。なかなか雰囲気がある。
 洋梨タルトとコーヒーなど頂きながら、デジカメのデータをパソコンに移行をしたりして。

 うーん、それにしても、地味なところだ。
 私は楽しいのだが、シーズンにこの観光地に子供連れでやってくるという人たちは、どのように楽しむのだろう?

 つづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月23日 (木)

【雑談】 雪の石見銀山

 出雲旅行記5

 さて、二日目は石見銀山の攻略である。
 しかし、天候は不順。
 雪が降ったり、やんだりを繰り返している。
 石見銀山に到着すると、駐車場には積雪していた。
 気温は1度。
Photo_4  そして、観光客は誰もいない。
 本気で誰もいない。
 駐車場の人に聞くと、我々以外に1組だけ来ているとのことであった。
 世界遺産なのに……
 ゴールデンウィークや夏休みには、かなり賑わうそうなのだが、こんなシーズンオフに来る物好きは少ないらしい。
 しかも、雪まで降っているしね。あははははー!

 石見銀山の一般的な観光地は、数多くの坑道がある銀山地区と、古い町並みの残る大森地区に分かれる。
 大本命である佐毘売山神社は、銀山地区の一番奥にある(石見銀山はもっと広大であるが、それより奥に入るのは軽い登山をするぐらいの覚悟がいる)。
 徒歩で行くと、脇目を振らずに歩いて40分ぐらいかと。

Photo  寒風吹きすさぶ雪の中、とても坂道を上る気がしないと連れがいうので、ベロタクシーを利用する。
 簡単に言えば、自転車タクシー。
 石見銀山の中は、環境保護のため観光車両は立ち入り禁止なのだ。
 大人ふたりを乗せて、ベロタクシーはえっちらおっちらと坂道を上る。
 タクシーのお兄ちゃんは、道中、石見銀山の観光ガイドもしてくれるのだが、ゼエゼエと息が切れている。
 大丈夫だろうか。
 なんか、ガコン、ガコン、ギアが飛んだりしているし……
 タクシーのお兄ちゃんの解説からは、石見銀山では鉱毒が発生しなかったことや、町ぐるみで環境を守っていることが強調され、この観光地のイメージを大切にしようという気持ちが感じられる。世界遺産ともなると、いろいろ苦労もあるのだろう。
 こちらの細かい質問にもきちんと答えてくれて有り難い。ちゃんと勉強しているようである。
 そんなベロタクシーは片道である。
 まずは一気に坂を登ってもらい、徒歩で下りながらゆっくり観光するのが楽でよい。

Photo_2  終点は龍源寺間歩。
 間歩というのは坑道のこと。
 簡単に中に入れることが嬉しい。
 以前は岩がゴロゴロした、昔のままの坑道だったそうだが、いまは足下はコンクリで固められて歩きやすくなっている。
 鉱脈に沿って掘り広げられた部分や、水抜きの縦穴などがそのまま残されており、当時Photo_3 の様子がうかがえる。
 どうでもいいことだが、まったく光の届かないはずの坑道に、LEDライトに照らされて小さな植物が繁茂している様は、なんかナウシカっぽい。

 さて、続いて大本命の佐毘売山神社である。

 つづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月22日 (水)

【雑談】 湯の川温泉にて、しまね和牛うめー!

 出雲旅行記4

 湯の川温泉の宿にて一泊。
 温泉はナトリウム泉かな?
 ほぼ透明でやや塩っぽく、臭いは微か。温度は低めだが、完全に掛け流し。
 私が入るたびに景気よくお湯が流れ出す。
 さすがに宿には他の客もいたが、夕食時に入ったおかげで、大浴場を貸し切り状態。
 一人でのんびり湯につかる。
 理由は良くわからないが、天井から湯気のしずくがぽちゃんぽちゃんと凄い勢いで落ちてくる。こんなに落ちてくる温泉は初めてだ。
 風流でいいけどね。

 さて、湯から上がったら、お楽しみの晩酌である。
 お供は、島根県の地酒といえば定番中の定番である、李白純米吟醸を冷やで。
 すっきりしてクセがなく、香りは少しだけフルーツ系。どんな料理でも合う、失敗のない手堅いお酒だ。

Photo_4  料理はいろいろ出たが、やはりメインはしまね和牛だろう。
 サーロインをその場で焼いて、ヒマラヤ岩塩で食べる。
 しまね和牛はサシの入った、和牛の典型的な肉質である。
 ただ焼いて、塩をかけるだけなのに……旨い!
 やっぱり和牛は旨いわー
 ほんま、肉の芸術やでー
 正直、どこで食べても、和牛は旨いんだけどね。

 魚のほうは普通かな。
 カニは近場のものではないな。
 刺身はヨコワという知らない魚が出た。
 味はクセのないカツオみたいな感じ。
 どうな魚だったのかと後日調べてみたら、メジマグロの幼魚らしい。なるほど、ひとつ賢くなった。

 あと、この宿でも出雲そばが出た。
Photo_5  メカブが入っているのがちょっと面白いかも。
 この宿のそばは、出雲大社前のかねやとは違って、ゴリゴリというほどの歯ごたえは無い。
 だし汁もそんなに甘くなく、魚のだしが強く感じられる。あごだしなのかな?
 つるつると普通のそばのようにすすれるぐらいで、もしかすると観光客に合わせているのかも。
 もしくは、すっかり伸びてコシが無くなってしまったのか……

 つづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

【雑談】 古代出雲歴史博物館と資料探し

 出雲旅行記3

 出雲大社の裏手を抜けて、次は本日の本命、古代出雲歴史博物館へと向かう。
 すげー吹雪になってきた。
 しかも、古代出雲歴史博物館の裏手にある広い庭側から入ったものだから、隠れる場所も無い。
 寒風に吹きさらされながら、モダンな博物館の建物に到着。
「裏手からでも入れるのか?」と不安に感じたが、幸いなことに自動ドアは開いてくれた。
 ホッと一息。
 雪を頭に積もらせた観光客に、スタッフのかたがたの注目が集まる。
 なぜかと思えば……客が誰もいないからだ。
 もう毎度のことだけど。
 ちょっと予定が押して、館内には二時間ぐらいしかいられなかったけど、トータルでお客は5人ぐらいしか見なかったな。
 明らかに、客よりスタッフのほうが多い。
 まあ、シーズンオフだからね(決まり文句)。
 それにしても、ここのスタッフは古代服風の制服を着ているのが面白い。

Photo_2  さて、正面のホールには有名な宇豆柱がどでーんと鎮座している。
 鎌倉時代の出雲大社を支えた柱であり、杉の大木を3本束ねて、直径3mの柱となっている。
 本殿の高さは48mあったとも言われており、当時の日本では超ド級の高層建築物だったらしい。
 非常にロマンのある話であるが、個人的にはちょっと信じがたい気がしないでもないのだが……どうなんだろうねぇ?
Photo_3  そんな昔の出雲大社の十分の一模型があるのだが、48mの本殿にあがるための階段がものすごく長くて冗談みたいな構造になっている。
 残念ながら館内は撮影禁止だったので、どんな形状をしているのか興味あるかたは「出雲大社・模型」でぐぐってみよう。
 この非常識な階段――神様のおわす場へ向かう道としての演出の意味があるのかもしれないが、それにしてもその階段を支える柱だけでも膨大な数になる。
 もし、本当に建築したとなれば、本殿以上に階段のほうが大変そうだ。
 でも、供物を持って縄ばしごを上るわけにもいかないしなぁ……
 他にも、何人もの研究家の意見を元にした出雲大社の復元模型も展示されており、各々の主張があって面白い。
 でも、中にはとてものぼれそうにない階段の模型もあったりして。
 出雲大社の宝物殿で学芸員のかたが、本殿への供物を運ぶ作法として、顔を上げずにあがらねばならないと教えてくれたが、それならなおさらのことである。

 もう一つの目玉が荒神谷遺跡と加茂岩倉遺跡から大量発掘された、銅剣と銅鐸のコンプリート展示。
 なんかもう笑ってしまう。
 だって358本の銅剣が荒神谷遺跡で、39個の銅鐸が加茂岩倉遺跡で、一度に発見されたっていうんだからね。これは笑うしかない。
 この発見のおかげで「やっぱり古代出雲はすげぇ」となったわけだ。
 発見した人の気持ちはいかがなものだったろうか?
 当然、国宝である。
 銅鐸をねぶるように見つめる。
 タガネのバツ印も発見。
 このバツ印は銅剣と銅鐸に共通しており、二つの遺跡の関係が立証されたのだ。
 これを発見できたのはちょっと嬉しいが、銅剣のほうのバツ印は見つからなかった。
 しかし、このタガネの跡はすごく鮮明で、一見すると当時のものとは思えない。私が研究者だったら、誰かがカッターで傷つけたのではと疑いそう。

 あと、三角縁神獣鏡の実物が展示してあったりしてビビる。
 たぶん、何匹か魔物が封じられているはず。

 次の日に訪ねる予定の石見銀山に関する展示もあったが、こちらはさほど目新しいものはない。
 そんなことをしていると、あっという間に閉館時間が間近となってしまった。
 文書資料室に行って、以前、別の博物館の企画展で公開されたらしい、石見銀山の坑道に関する資料がないものかと探す。
 そのものズバリの資料は無かったが、学芸員のかたにも協力いただいて、いくつか資料のコピーを頂く。
 そして、「いらなかったら捨てて結構ですから」と言いながら、40円のコピー代の領収書を律儀に切るスタッフのかたに萌える。
 まあ、お金の出入りはしっかりさせておかないとね。

 雪はすっかりやんでいたが、外はもう真っ暗だ。
Photo  夜道を車で飛ばして、本日の宿、湯の川温泉へと向かう。
 駐車場に、なぜか八上姫神社があるという宿。
 ヤカミヒメと言えば、スセリヒメにオオクニノシノカミを寝取られた女神様ですな。
 でも、なぜか縁結びの神様として、地域では盛り上げているよう。
 ハート型の絵馬などが宿で販売していたりしていた。御利益あるのかな~?(笑)

 つづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月20日 (月)

【雑談】 出雲大社と宝物殿

 出雲旅行記2

 雪がちらつく出雲大社。Photo_4
 観光客はほとんどいない。
 時折、観光バスが到着しては、10人ぐらいの集団が駆け足で拝殿を見て、そして去っていく。
 なんかすごく慌ただしい。雪が降っているからかなー?

Photo_5  現在、出雲大社は平成の大遷宮のため、本殿はすっぽり改修用の覆い――というか建物に囲まれてしまっている。
 この中で工事をしているのだろう。
 出雲大社の原始的で禍々しいともいえる本殿が見られなかったのは、とても残念。
 もっとも、出雲大社は一般には拝殿しか公開していないのだが。

Photo_6  続いて、拝殿よりも有名ともいえる神楽殿の大しめ縄も拝見させてもらう。
 さすがに大きい。
 これには圧倒される。
 宗像教授でなくても、原始ヘビ信仰の名残だと思ってしまうだろう。

 あまり時間がなかったのだが、宝物殿のほうものぞいてみた。
 当然ながら誰もいない。
 入ってすぐ、出雲大社に奉納された村正と正宗が並んでいるのがちょっと笑える。
「高いんだろうなぁ」とか呟いていたら、学芸員らしきかたが展示にもインパクトが大事なのでと説明してくれた。
 誰もいなくて暇だったのか、その後、つきっきりで宝物殿の解説してくれる。
 古い図面を見ながら、出雲大社の変遷を知るのは面白い。
 あとは本殿の模型も興味深かった。

 宝物殿をあとにして、お次は出雲大社よりも楽しみにしていた古代出雲歴史博物館である。

 つづく

| | コメント (1) | トラックバック (0)

【雑談】 出雲大社前の出雲そば屋

 出雲旅行記その1

 出雲空港から車で出雲大社へと移動。
 途中、出雲そばの羽根屋で昼食と思ったら、なぜか閉まっていた。調べたところ、休業日ではなかったはずだが……
 しかたがないので出雲大社前まで、車で直行。
 社前の古い住宅街の細い道をおっかなびっくり走って、第二候補のそば屋を探す。
 到着したのは、かねやというお店。
 出雲大社のそばにある出雲そば屋として、かなりの有名店。
 もっとも、観光シーズンは外れ、昼飯時も過ぎていたため先客は一組だけ。
 そして、すぐに我々だけになってしまった。
 有名店とはいえ、シーズンオフはこんなものなのだろうか?

 注文したのは、割子そばと、釜揚げそば。Photo
 割子そばとは、小さな漆器にそばが少しだけ入っていて、そこにだし汁をかけて食べるというもの。
 ざるそばとは逆である。
 小分けしてあるので、いろいろな薬味で楽しめるというのがメリットか。
 そばはかなり黒い。そして、太い。というか、切った太さがバラバラ。
 手打ちの味わいといえば聞こえは良いが、乱雑ともいえる。
 ゆで加減が均一にならないので、そばは行儀良く切られているほうが好みである。
 そばはかなりの歯ごたえで、ボリボリという食感。香りはさほどしない。
 だし汁のほうは特徴的で、とても甘い。
 とにかく甘いのだが、これは島根の醤油の特徴であろう。
 関東のざるそばのだし汁に比べると醤油の塩辛さは薄めで、そのまま飲めるぐらい。
 これはつけて食べるのと、かけて食べる違いからだろう。

Photo_2  釜揚げのほうは、そば湯と一緒に茹で揚げたそばに、だし汁をかけて食べるという、とてもとてもシンプルなそば。
 この店のそば湯はものすごく濃くて、葛湯のようにトロトロである。そば湯って濃ければ良いというものでもないのだが……
 そのため、釜揚げそばはあんかけそばみたいになっている。
 かなり味は薄めで、正直、関東人には物足りない。
 割子そばのだし汁を足してちょうど良いぐらいであった。

 甘いクセのあるだし汁。
 とろとろのそば湯。
 そして、価格の割にはだいぶボリュームが少ない(割子と釜揚げ二杯食べても全然平気)のが特徴のお店という感じ。
 有名店ということではあったが、正直、私の好みではなかったかな。

 ちなみに、私の連れは、このそばの甘い醤油の味が苦手だったようで、もう出雲そばは結構ということであった。
 うーむ。

 ともかく、そばで温まったので、いよいよ出雲大社へ。Photo_3
 ところが、写真を見ればわかるように……そこには誰もいなかった。

 つづく

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月18日 (土)

【雑談】 出雲旅行の戦利品

 出雲旅行から帰ってきましたよ。Photo
 戦利品としては、松江城下にある寺田酒造を訪ねて買ってきた豊の秋。
 土間と番台のある、すごい年季の入った店構え。
 良い評判を聞く酒蔵だったが、松江のそば屋とイイ感じの旅館でも見かけた。地元で愛されているお酒なのかしらん?
 車で移動しているため味見が出来ないので、大吟醸、吟醸、純米と三種購入しておいた。これで勝てる。

 あと、石見銀山の近くでネタとして購入した「石見銀山」というお酒。
「この正直者め」という感じのネーミングだ。Photo_2
 濁り酒のカップ酒も購入。なんか甘酒みたい。
 でも、石見銀山の中にある食堂で、地元の人らしいお爺さんが、昼間からこの冷や酒を「うめー、石見銀山うめー」と言いながら飲んでいたので、きっと美味しいはずだ。

 旅行の報告はボチボチいたします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年12月14日 (火)

【雑談】 出雲に行ってきますよ

 明日から出雲に行ってきますよ。
 出雲大社も楽しみだけど、真の目的は石見銀山です。
 佐比売党の総本山を見てきます。
 あと、出雲そばとか、冬の日本海の海鮮などを……

 そんなわけでしばらく連絡がつかなくなりますので、どうぞよろしく。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2010年12月 6日 (月)

【雑談】 喪中につき

 もう12月ですね。
 今年は喪中につき新年の挨拶は失礼させていただきます。
 ちょっと気が早いですが、よいお年をお迎えください。

 来年は『クトゥルフ神話TRPG』のサプリメントシリーズ、クトゥルフワールドツアーが動き出す予定なので、こうご期待。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

« 2010年11月 | トップページ | 2011年1月 »