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2011年12月26日 (月)

【食事】 下部温泉のゲンセンカン

 富士山ぐるりと紀行その6

 日が暮れてきたので、下部温泉へと移動する。
 富士山からはちょっと離れており、山を延々と越えねばならない。
 真っ暗な山道の運転は怖いので、急いで山越えをする。
 なぜさほど有名でもない下部温泉を選んだのかといえばここが湯治場で、しかも、源泉館という名前の宿があったから。
 源泉館といえば、つげ義春の漫画「ゲンセンカン主人」である。

「まるでなんだというのです」
「まるで幽霊ではありませんか」
「火の用心」

 この流れが大好き。
 下部温泉は川沿いにある温泉街で、一軒宿ではない。
 ただ、かなり寂しい感じ。
 観光地ではなく、湯治場なんだなぁという雰囲気は満点だ。

Photo  宿は、観光客と湯治客で建物が違う。
 長期滞在をする湯治客には質素な部屋があり、観光客にはそれなりの部屋がある。
 ただし、観光客でも湯治の湯には入れる。
 さすがに観光客の部屋にして、荷物をほどいて落ち着くと、宿の人が温泉の入り方を説明してくれる。
 なんと、ここはラノベでは定番の混浴風呂だったりする。そのためタオルで隠して入って下さいと注意される。通常、湯船にタオルを持ち込むのは禁物であるが、ここではそれがマナーということで。なるほどね。
 あと、冷泉のため、一時間ぐらいゆっくり入ることをおすすめされる。
 ただ、一時間も入っていると夕食の時間になってしまうので、建物内にある冷泉ではない加温した温泉のほうに入ることにした。
 ちょっとしょっぱい感じだが、ほとんど匂いのない温泉。
 誰もおらず、私ひとりでのんびりと浸かる。

 

Photo_2 食事のほうは、山の中だけあって海のモノはいっさいなし。
 よく申し訳程度の旨くもない刺身が出る宿もあるが、そういった迷いがないところはいさぎ良し。
 味のほうは普通だったけど、松茸の土瓶蒸しが美味しかった。
 追加で馬刺しも注文したが、脂身のない赤身が出た。個人的には霜降り馬刺しの脂っこい下品な味が好きなので、ちょっとガッカリかも。

Photo_3  さて、肝心の源泉館だ。
 源泉館は宿の隣にある、風呂だけの銭湯のような建物。温泉の建物が違うって、ちょっと変わっているね。
 脱衣場は男女別だが、内部では一緒になっているというパターン。
 先客に女性がひとりいた。
 ちょっと緊張するが、言われたとおり前を隠して、温泉へと入る。
 ただ、私はメガネを外すとほとんど見えないうえ、ここの温泉は地下洞窟みたいなところにあるため、かなり薄暗い。そのため相手の顔も見えなかったり。
 湯は驚くほど冷たい。
 夏のプールぐらいの温度かと。
 湯と言うより、ちょっと温かい水である。事前情報が無かったら文句を言いに行くほどだ。
 でも、ちょっと我慢していると、徐々に温度にも慣れてくる。動くと冷たいが、じっとしていれば、冷たさを我慢するというほどでもないぐらいになってきた。 
 こうなったら、あとは思考を停止させて、くつろぎモードである。
 ぽわーんと薄暗い岩穴の中でたたずんでいると、時が経つのも忘れてしまう。時計はあるんだけど、メガネが無いと見えないんだよね。
 そのうち、一緒に入っていた女性が上がるついでに、自分のいた湯船の場所を指して「こっちから湯が湧いているから、こっちに入りなさい」と教えてくれた。 
 助言に従って、いままで女性のいた場所に移動する。
 ここの温泉は岩穴に湧いているのだが、その岩の上に床板を敷き詰めて風呂にしているという豪快な造りである。
 ただ、その場所だけは板が無い。
 そこで岩の奥に足を入れてみると、すごく深くてギョッとしてしまう。一瞬、底なしかと思ったが、ぎりぎり足が届いた。ただ、足が挟まったら大惨事になりそうなのですぐにひっこめる。
 落ち着いてみると、確かにここから湯が出ていて、ちょっとだけ湯も温かい。
 慣れた人がここをベストポイントとするのも頷ける。
 私も岩の上に腰を据えて、じっと源泉に身をゆだねた。
 とはいえ、さすがに冷たいのも事実。
 暖まりたいと思ったら、別に加温した湯船もあるので安心。
 宿の人いわく、これを交互に入るらしい。
 加温された湯に入ると、なんだか全身がゆるむ気分。
 ほけーっとしていると、別の男性が入ってきた。
 何気なくその人の動きを見ていると、まず身体を洗って、わき出る水を持参したペットボトルに入れて、それで口をすすいで、さっと温泉に浸かる……その一連の動作が非常にテキパキとしていて、わずかなよどみもない。
 きっと長い間、湯治で滞在している人なのだろう。なんだかその機敏な動作が格好良くて、思わず見とれてしまった。
 ちなみに冷泉のほうの湯船に戻ってみたら、やはりその男性もベストポイントである源泉の場所にいた。
 しかも、仰向けに身体を伸ばして、耳の下から後頭部を含め、顔面以外すべてを湯につけている。すごい、これが本物の湯治の入りかた……いや、たぶん違う気がするけど。

 そんなわけで、一時間半ぐらいは入っていた。
 温度が低いので長湯はできるのはわかるけど、うーん、やっぱり温泉は温かい方がいいよね。
 ちなみに朝風呂に行ったら、まったく同じ人たちがいたりして。
 さすがは湯治場だ。風呂に入る以外、なにもやることはないのだろう。

 下部温泉を出たら、今度は富士山の南側を回るよ。

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